ぼんのう

ブルガダ症候群で一級障害者。人生、楽しもうよ♪

日本に戻って、イスラームについて考えてみた

2010.07.20 Tuesday 11:02
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    「半年間いたら、イスラームに改宗しそうになる」


    日記にそう書いたが、これは冗談でもなんでもない。
    サウジアラビア王国にいたら、嫌でも、そう思ってしまう。
    これは別段、毎日流れるアザーンやら、夜の砂漠で
    満天の星を仰ぎ見ながら得たヌミノーゼ感からではない。
    改宗せざるをえない状況に、ならざるをえないのだ。



    たとえば、礼拝の前の身を清める儀式。
    両手だけではなく、両腕、両足、鼻の鼻、耳、髪の毛全体を
    洗い清める必要がある。
    これだけで10分かかる。
    はじめ、この儀式を知った時、非常に面倒だとは思ったが、
    サウジアラビア王国にいる限り、必要なことだと認識できる。
    とにかく砂埃がすごいのだ。
    少し外を歩いただけで、舗装された道路であるはずなのに、
    靴が砂で真っ白になる。
    砂と言っても、我々が思っている砂ではなく、極めて細かい塵のようなものだ。
    店先に並べられてある商品に埃が被ってあっても、警戒したり、怠慢さに怒ってはならない。
    微風などで運ばれた砂がわずか1時間で、積み重なってしまうのだ。
    それが大風に吹かれた日には、酷い目に遭ってしまう。

    つまりは一日に5回の礼拝の前に身を清めるのは、同時に
    手足や目鼻、耳に入った砂を洗い流すルーチンワークなのである。
    義務とされているが、義務以前に、行わないと病気になってしまう。
    しかし、どのタイミングで行うべきなのか、人それぞれであろう。
    忙しい人が仕事を中断して、30分もいなくなってしまえば上司は怒り出す。
    そこで、神(=アッラー)の御名においての義務とされれば、怒る資格が失われる。

    誠にアッラーは慈悲深くあられる…  













    あれ?
    我輩、何か言った?



    えっと…ああ、そうそう、厳しい義務という程ではないが、
    マズジド(=モスク)での集団礼拝が殆ど義務とされているという点でも、現地にいなければわからない。

    車に乗って、景色を見ていると、どんな小さい所にでも、マズジドが建っている。
    学校にも、公共機関にも併設されている。
    大企業の敷地内にもある。
    町内の中に、必ず一つ存在する。
    ここで留意していただきたいのは、カトリック教会や神社、寺院の礼拝の場所との意識が違うという点である。

    無論、神聖な場所であるには変わりはないが、マズジドは神が存在する特定の場所という認識は一切ない。一方、教会、神社、寺院であれば、聖体、八百万の神様、仏様が「おわす」所である。マズジドはあくまでも、礼拝すべき方角を指し示す場でしかないのだ。

    「私(アッラー)は(人間の)頚動脈よりも人間に近い」(クルアーン50章(カーフ章)16節」

    とあるように、そもそも、どこそこにアッラーがおわします、とするのは限りない冒涜なのだ。

    では、集まって礼拝する理由はどこにあるのか。
    全体を観察すれば、興味深いことが判る。

    まず、マズジドには、常に清掃された清潔な水場とトイレが設置されている。
    あの暑さと乾燥を極めた環境で、これらがあるということは、どれほどの意味をなしているのか、想像はたやすいだろう。
    身を清めるというのが第一前提であるが、24時間、いつでも利用できる。異教徒の我輩でも、全く問題なかった(逆に歓迎されてしまった)。
    仕事で忙しくても、ここでさっぱりする時間と空間が保障されている。
    運がよければ、お茶なども飲み放題。
    ここでの一服は、誰にも否定されることはない。

    集団礼拝をすることは、暑さの中、だらつく生活に対して、一つの気分転換を与える。
    我々も忙しくても、つい、呆けてしまい、さぼることもあろう。
    そのような事をするのであれば、心身ともにさっぱりする時間が保障されれば、さぼるというようなことはない。
    実際、今回の出張で、サウジアラビア人が当初言われていたことに反して、非常に勤勉であった。このような切り替えの賜物であるのか、はっきりは判らないが、一つの理由であると我輩は思いたい。

    ついでに周囲とのコミュニケーションを図る場でもある。
    「孤独死」「近所が誰か知らない」という世知辛さは、少なくともサウジアラビア王国において聞かれることはなかったし、訓練生に話しても、理解してくれなかった。
    さすがに都市部ではないにしても、過酷な環境において、人とのつながりがなければ、死につながる。
    人同士のつながりをことのほか強調するイスラームは、この集団礼拝において表されている。

    屈みこむという姿勢も、内臓に良いとどこかで聞いたことがある。
    逆立ちをしないまでも、内臓を一瞬だけ重力に反するように動かすことで、活発になるとかならないとか。

    つまり、何から何まで、アラビアの環境で深い「意味」を成しているのだ。
    人間同士の理解と人間の健康を考えた、合理的な宗教であるのだ。

    誠にアッラーは知恵深くあられる…  














    な…なんか…おかしいぞ…?



    あーっと、えっと、ついでにイスラームは
    改宗の強制とか、布教はしていない。

    「あれ?世界史とかではあるけど?」
    「今、アメリカとかのブラックムスリムは?」

    例外は多数あるし、否定はしない。
    強制改宗の史実や布教はよく見られたし、今でも見られる。
    でも、主流とされているイスラームでは、それがない。
    今回の出張で、イスラームの教師と話す機会に恵まれなかったが(というか、会社の仕事が第一だったし)、その国の環境において、どうしても根付かないものがあるとすれば、人間の自発性に委ねるという自由意志が尊重されているのに、不思議な感動を覚えた。
    無論、カルヴィンの予定説にも似た思想も根本にあるが、寛容な自由意志との絶妙なバランスがある。

    「アッラーは日本まで来ないさ」

    と言って、酒を飲む、とんかつを頬ばるムスリムの知人友人がいるが、そこまでとは行かないまでも、その国の実情に合わせての寛容さが、サウジアラビア王国という世界で最もストイックなイスラーム国家でも芽生えている。

    「その国の実情に合わせて、信仰を護ればよい」

    仕事を一緒にしたサウジアラビア人から教えてもらった。
    ちなみにその方は、過去、来日の際に六本木で酒を楽しんだそうな。w

    誠にアッラーは寛大にあらせられる…  














    ら…ラー…イラッハー…ぐぅはsdgぷはpwせdrftgyふじこ
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    リヤド空港に関して、簡単なメモ

    2010.07.19 Monday 00:07
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      えー、まず、自動小銃を突きつけられます。

      うそです。

      ただ、警備員が全員軍人で、AK47を持って、うろうろしております。
      今日だけかもしれないが、にしても物々しい。
      入国の際は、急いでタクシー乗り場まで行ったので観察できなかった。
      出発の日くらい、ゆっくり、空港で買い物はできるだろう。














      デューテリーフリーショップ、お土産屋、無し。
      以上。






      …そうだよな。
      免税店、必要ない国だもんな。
      でもせめて、絵葉書とか売ってても、いいでしょうにー…。






      キャセイパシフィックであれば予め、オンラインチェックインをすれば、すんなりチケットが貰える。

      「おお!オンラインチェックインしたのですね!」

      と、係員が驚いていた。

      「さすが日本人です!助かりました!」

      いや、ちょっとそれは違うと思うが。



      出国審査ゲートで、鼻息の荒い、中央アジア系のおっさんが割り込みをしようとして、軍人に引き戻され、手続き直後に別室へ連行されていく光景を横に見ながら、チェックを受ける。

      小さい空港なので、ぐるーりと歩きまわるのに10分もかからない。
      コーヒーショップが4軒と、待合室。
      ああ、特徴として、待合室には普通のシートと、
      絨毯が敷かれた地べた座りのスペースが。

      一定の年齢以上の人たちが、そちらに座っていた。
      写真を撮ろうとしたら、にらまれたので、カメラを戻した。
      いや、英語でお願いしたんだけど、通じなかったし…。



      さて、出国っと。w
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      夢のような日々だったな…

      2010.07.18 Sunday 20:00
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        完全に求められた仕事をこなせられたかについて、
        自信はない。
        正直なところ、

        「まだ足りないだろ」
        「まだやっていないだろ」
        「仕事、完全に終えていないだろ」

        と反省しきり。
        でも、訓練生からの握手やアラブ式の抱擁は、どこまでも暖かく、
        どこまでも感動的であった。




        毎日、仕事を終えて、機関から出ると見られたこの光景も
        今日でおしまいか。
        なんてことはない殺風景な景色。
        でも、この光景も、この国も、人々も、文化も歴史も、食べ物も着る物も、
        これほど我輩の心に強烈な印象を与え、半年間駐在することになったら、間違いなくイスラームを受け入れかねないこの見えない、不思議な雰囲気も、これほど愛しいと感じたことがなかった。
        同僚が嫌うこの熱波さえ、我輩にとって優しく感じられたことはない。



        サウジアラビア王国。

        台湾のように、つながりこそないが、
        懐かしい日本を、あちらこちらで感じることができた。
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        細かいところでいくつか

        2010.07.17 Saturday 04:30
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          まず、サウジアラビア王国は、観光する国ではない。
          もしかしたら高級品を買うつもりであれば、最高の国かもしれない。
          何せ、この国には税金が一切ない。
          国全体が、タックスフリー。
          グッチ、イブサンローランなどブランド品が、あちらこちらのショッピングモール(というか、ショッピングモールしかないのかと、小一時間問い詰めたくなる)で売られている。
          但し、女性が一人で行動することは一切許されていない。
          イスラームの名において、全てが決まっている(法律もクルアーンに立脚したシャリーアのみ。但し、ムスリムにしか適用されていないので、我輩のような異教徒は、原則、この国において「人権」は存在しないから、慎重に行動することが要求される)ため、女性は家族と一緒ではなければならない。もし単独で行動したとなると、「逃げ出した」ものとして、ムタッワ(宗教警察)に逮捕されても、文句は言えない。
          とはいえ、ここ最近ずいぶんと緩やかになってきてはいる。
          たとえば、女性は髪の毛を隠す、顔を隠す必要があったが、頭むき出しで歩く姿が多く見られた。身体はをブルカで身を包んでいれば、そう厳しく言われることはない(もっとも、これは外国人に対してのみらしい。サウジアラビア人女性の場合は、どうかは未確認)。
          テレビのチャンネルを回せば、肩むき出しの女性が出ている。これもずいぶんと緩和されたとのこと。
          街中のポスターとかで女性が写っていると、顔の部分だけモザイク処理されている。しかしこれが10年ほど前だと、顔どころか、身体全体が黒ペンキで塗りつぶされていた。「進歩」といえるのかどうかは、我輩のような異邦人が言う資格はないが…。





          サウジアラビア王国を知らなくとも、そのデザインを見て、
          一発で覚えられる国旗も、そう、多くはない。
          書かれているのは、イスラームの根本原理である「KALIMA(信仰告白)」。



          LA ILAHA ILL ALLAH MUHAMMADUR RASOOL ALLAH

          アッラーは唯一の神であり、ムハンマドは預言者である(ことを私は信じる)

          これを大きく3回(1回で良い場合もある)、複数のムスリム、ムスリマ前で宣言するだけで、ムスリム、ムスリマになれるという極めて重要な聖句。
          下の剣は、二大聖地(マッカ、メディーナ)、もしくは聖地を守護する者としてのシンボルである。
          これだけで、この王国の存在している意義が理解できよう。
          つまり、「イスラームそのもの」であり、観光や買い物は関係ないという考えがある。
          そして20世紀初頭に石油が見つかったことで、イスラームの護持するサウード王家(サウジアラビア王国とは、「サウード家のアラビア」を意味する)は、その責任をオイルマネーを活用することで、外交や内政を整えることができた。

          そもそも、「観光」そのものの概念のない国だ。
          パッケージツアーはあるにはあるが、観光ビザというものが発給されない。

          いや、観光ビザ、そのものが存在しないのだ。

          旅行代理店が、「招聘」するという内容で、短期の不労ビザが発給されると形式をとっている。
          この国で受け入れられているのは、原則として労働者(医者などの高度技術者や石油や商社の人間も含まれる)、もしくは聖地巡礼を志すイスラーム教徒のみである。
          代々木上原のジャミーヤへ行き、イスラームを受け入れるのであれば、簡単に入れるかもしれない。





          サウジアラビアリヤルはドルと連動している。
          前国王崩御に伴い、新札が出ているが、旧札は問題なく使える。
          が、かなり汚いので、財布がががが…。

          1リアルは25〜30円程度。
          ちなみに現地で円からの両替は不可能。
          米国ドルにいったん両替してからのほうが良いが何か馬鹿らしいので、
          もし、三井住友銀行やシティバンク等のインターナショナルカードがあれば、現地の銀行から引き出したほうが絶対よい。
          三井住友銀行であれば、王都リヤドのあちらこちらにあるリヤドバンクのATMから簡単に引き出せる。

          日本でもトラベラックスや香港上海銀行などで両替できるが、レートがちょっとおかしい。
          約30円弱で1リヤルに両替できるが、帰国後、円に戻すとなると、1リヤルが20円弱になってしまう。
          円高の所為ともいえるが、10円以上の差は大きいので、慎重に。



          娯楽は皆無と言ったが、見所はある。
          空軍博物館があるらしいが、サイトが見当たらないし、
          行けなかったので割愛。
          国立博物館では、サウジアラビア全体の歴史が展示されている。
          地球の誕生からクルアーンの聖句が掲げられていたのには、さすがだと感じたが、圧巻は、「イスラームに至る橋」。





          手前は、イスラーム前史。
          渡ると、展示はムハンマドの召命からイスラームの始まり、
          ヒジュラからマッカ解放、サウード家のアラビア半島独立運動、
          そして現代までの歴史が詳細に展示されている。

          市場(スーク)もあちらこちらにあるが、我々がイメージする
          昔の雰囲気はリヤドにはなく、比較的新しい雰囲気がある。
          とはいえ、旧市街なので、雑然とした空気が楽しい。



          サウジアラビア人男性の格好といえば、白のワンピース「トーガ」、頭には紅白の「グトラ」、そして輪っかの「イガール」。
          欧米向けの出張者専用サイトでは、

           外国人が着るのは大変危険

          とあったが、理由は書かれていなかった。
          機関に勤めているサウジアラビア人に尋ねると

          「そんなことはないよ?外国人が着ても問題ない」
          「というか、この国では、この格好(トーガ)が涼しいから着ているだけだし、洋服は暑いからねえ」

          とのこと。
          レディーメイドであれば、フルセットで大体6000円前後、
          オーダーメイド(があるんだよ、実際)だと数万円するそうな。

          ちなみにグトラについて…







          イタリアのブランドやら、KENZOやらが出しているが、
          柄は全く同じ。
          店員に訊いたが、

          「違いがわかりません」

          って、おいおいおいおいおいおい…。



          ちなみに、我輩は駐在員お勧めの旧市街スークにある、地元民しか出入りしていない店で一式買った。

          写真?

          …来年の年賀状を楽しみに。
          てか、これ、我輩じゃないだろ。
          この格好で、街中の店に入ったが、まったく溶け込んでしまった…。
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          酒の代わり

          2010.07.16 Friday 02:00
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            酒のない国、サウジアラビア王国。

            そ、ほんとにない。

            周辺のアラビア湾岸諸国であれば、いくつかの例外こそあれ、
            この国においては、外国人だろうとなんだろうと、一切なし。
            二つの聖地があるからの自負からだろうが、
            それ以上に、連日50度以上が当たり前のこの国で、
            脱水症状を促してしまうアルコールは、死にも直結してしまう。

            ドバイなどであれば、外国人向けホテルのバーで飲むことができる。
            エジプトはビール、チュニジアはワインなどを生産しており、
            高い評価を得ている。
            でも、ここにはない。

            先日、社長が来訪され、あちらこちらまで案内し、最後にホテルの
            チェックインをしたが、部屋につくと冷蔵庫を覗き、

            「おお!ビールがあるじゃないか!」

            と叫ばれた。
            確かにバドワイザーが入っていたが、よーーーーーーーーーく読むと、
            ノンアルコール。

            「社長、ノンアルコールです」
            と説明したら、酷く落ち込んでた。
            シャワーを浴びて、ビールをキューっと飲み、
            寝るのが最善の時差ぼけ解消法だと仰っていた。
            うーん…。





            レストランに行くと、カクテルならぬ「モックテール(モック=偽)」がメニューにある。要するにアルコールの入っていないカクテールであるが、これが非常に美味しい。
            先日の日記にも書いたが、極端な甘党に変わってしまった。
            酷暑で知らず知らずに身体に酷い負担がかかり、そのため、ブドウ糖になりやすい甘いものが好まれる。
            民族衣装を着て、立派なひげをたくわえた大のおっちゃんが、フードコートで顔ほどの大きさのパフェをパクツク光景が見られるのも、サウジアラビアならでは(マテ。

            でも、この甘いものが美味しいんだよなあ…。
            デーツとアラビアコーヒーの組み合わせ、これにシーシャ(水パイプ)があれば、断言しても良い、半日、時間がつぶせる。
            水分、甘味、会話とくつろぎが、イスラーム文化における最高の贅沢であり、最高の娯楽である。
            というか、夜でも暑いのに、身体を動かせばぶっ倒れてしまう。
            深夜3時にサッカーをしている少年達を観たが、有り余るエネルギーがある世代の特権だな、あれは。

            あ、それと、テレビで24時間(一日に5回、マッカでの礼拝中継をはさみ)、これが延々と流れる番組があった:
















            楽しそうじゃねえか

            我輩もまぜろ

            いや、まじで。
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            公式気温は信用しねえ・・・

            2010.07.15 Thursday 02:59
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              リヤド本日の最高気温は42度。
              はい、嘘です。
              話によると、あまり高い気温を発表しちゃうと、
              なんかいろいろ問題があるそうで、実際の気温より低く
              大本営発表しているとのこと。

              実際は56度くらい…。
              機関の外にある雑貨店の気温計を覗いたら、
              60度ギリギリのところを行ったり来たりしている。
              もうちょっとやそっとの暑さ、何とも思わねーぞ。
              沖縄県の暑さなぞ、北海道並だっちゅーに。

              さて、サウジアラビア王国をはじめとするイスラーム諸国では、
              休日は木曜日金曜日。
              だから今日は、日本で言うところの「花金」。
              駐在員の皆さんと、旧市街のスーク(市場)まで遊びに行き、
              お土産を買いつつ、慰労を兼ねた食事を。
              駐在員の滞在するコンパウンドから旧市街に向かうと、
              ホテルと機関を往復していたのと違う、リヤド本来の光景が
              目に入ってきた。
              雑踏という言葉しか出てこない。
              アラビアの形式、そのものである。

              タクシーから降りて、さて、スークへ行こうとすると、
              遠くからアザーンが響いてくる。
              気温は48度近く、排気ガスと細かい砂粉が鼻奥を痛く刺激する。
              しばし、呆けていると、激しい罵声が投げかけられてきた。


              「アッサラー!アッサラー!」

              般若面さえも子猫に見えてしまう激しい怒りの表情を浮かべた、我輩より一回り年上の、立派なひげを蓄えた民族服の人が、パトカーの中から怒鳴りまくっている。

              ああ、この人が、うわさのムタッワ(宗教警察)か。
              礼拝の時間なのに、モスクに向かっていないことに怒っているのだろうか。
              ムスリムに見えるのか?
              ああ、そういえば、機関に上着とネクタイを置いて、
              真っ白なワイシャツに紺のズボン…。
              現地で民族服を着ないサウジアラビア人と同じ格好をしている。
              単なる勘違いなんだろうか。
              試しにやってみよう。


              「ヤーバーニ!」


              日本人だ…と叫んで見た。

              途端、ムタッワの激怒満面の顔が、一瞬にして柔らかい笑顔になった。
              異教徒か、すまんな…という感じで、手を振って去り、別の人に向かって怒鳴り始めていた。

              仕事であのような顔をしているのだろうか。
              あの柔和な顔、ここに来て一週間、ありとあらゆるアラビア人から向けられた。
              なんだからホッとした。
              と同時に、怒鳴られたのは何年ぶりのことだろうか。
              これもこれで、何ともいえない懐かしさを感じてしまった。



              さて、スークの中へ。
              駐在員の一人が見事なガイドとなって、安くて信用できる店を次々と紹介してくれた。
              出来てから50年も経っていないので、古さこそ感じないが、店の中に入ると



              こんな感じ。



              大航海時代オンラインの世界そのものであるな。
              「買え買え!」とせっつかせることは一切ない。
              こすっからい取引もない。
              値下げとかも、じっくり腰をすえれば可能。
              珍しいものがたくさん売られて、一瞬、リミッターが外れそうになったが、買った後、どこに置くのか、そもそも日本に持ち帰られるのか、ということが脳内に次々と浮かび、当たり障りのないお土産のみに落ち着いた…。
              明後日、また来ようかな…。





              スーク近くの砦跡で記念写真。
              気温は45度。

              「いやあ…涼しくなったねえ…」

              と呟いたら、同行者から変な顔をされた。

              暑くても乾燥している地域は、
              我輩の体質に合っているのかもしれない。
              実際、過ごしやすいしなあ…。ああ、もうそろそろ帰国か。
              残念であるな…。
              山田虎次郎翁を慕いて | comments(8) | trackbacks(0) | - | - |

              声優デビューしました(マテ

              2010.07.14 Wednesday 17:12
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                「山本さーん、ちょっと声、いいですか?」

                出張に来ている機関で、
                女性駐在員より変わったお願いが。
                何でも機関の訓練生が作成しているコンテンツで、
                男性の、しかも「ランプの精」っぽい笑い声が欲しいとのことで、
                他の職員や駐在員に依頼し、収録しているとのこと。

                懐かしいな。
                我輩も以前、制作費の予算不足で、
                声優の変わりに結構収録したものだが。
                えっと、台詞は無用ね。
                笑い声っと。
                ランプの精というか、あの手のカートゥン的な笑い声ね。
                あ、他に登場シーンに使う擬音?
                お安い御用だよ。
                では、ごほん。



                30分後。

                訓練生の教室から、
                今まで聞いたことのない大爆笑が。
                女性駐在員から満面の笑みで、

                「山本さーん。あの声、(機関で)使いますよーwwww」



                …サウジアラビア王国で声優デビューしてしまったよ…。



                「でも訓練生全員の感想も面白かったですよ?」

                ほう?
                どんな感想ですか?

                「いえ、こないだ山本さん、訓練生の前で通訳とかレクチャーしたじゃないですか。」

                ええ、そうですね。

                「『とっても厳しい雰囲気の先生なのに、あんな面白い演技ができるなんて、日本人ってものすごい!感動しました!』って、訓練生のみんなが言ってますよ!ww」







                …トイレの鏡をじっと見る。



                口髭がいい具合に伸びたのだが…



                うわ…これは確かに、「怖い」わ…。
                帰ったら、剃るしかないな。
                山田虎次郎翁を慕いて | comments(4) | trackbacks(0) | - | - |

                国際都市ではある

                2010.07.14 Wednesday 04:45
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                  ホテルと機関施設の間を移動するだけの日々ではある。
                  移動手段はタクシーのみ。
                  レンタカーを借りたら、10分後に衝突事故を起こしかねない。
                  公共機関はあってないようなものだし、あっても、酷暑の中、
                  クーラーがないバスの中に入ったら、蒸し焼き必至。
                  会う人も限られてくるが、それでもしだいに気づくのは、
                  ここサウジアラビア王国は、東京やニューヨークと同じくらい、
                  いや、それ以上の国際都市ではなかろうか、という点である。

                  機関の主要スタッフ全員、サウジアラビア人である。
                  だが、その周辺は、サウジアラビア人ではない。
                  警備員はナイジェリア人。
                  掃除夫はパキスタン人。
                  施設管理者はインドネシア人。
                  サーバの設置管理者はインド人。

                  ホテルの周囲(街はずれの住宅街であるが)をぶらつくと、
                  クリーニング屋ではバングラデッシュ人がせっせとアイロンがけをし、
                  トルコ人が食堂の店先でケバブに香辛料いっぱいのタレを塗りたくり、
                  埃と排気ガスだらけの道路では、フィリピン人達がケンカしている。

                  ああ、考えみたら、この機関要員の参謀補佐は日本人だったな。

                  英語が世界共通語というのは、この国では通用しない。
                  アラビア語が共通語。
                  英語万能という常識は、常識ではないことが理解できる。



                  にしても、国際都市と呼ばれるニューヨークや東京とは違う。
                  彼らの殆どが、糊口をしのぐためにやってきた出稼ぎである。

                  最も多いのがフィリピン人。
                  外国人と言ったらフィリピン人、が、この国のデフォらしい。
                  とりわけ家政婦。
                  給料は日本円にして2万円前後。
                  「安!」と思われるが、これに住居、食事、休暇、医療保険も加わるから、
                  給与丸ごと本国に仕送りできるとのこと。

                  コンパウンド(外国人居留区)専属のドライバーは
                  5万円前後。
                  食事はつかないが、住居などがつくから、贅沢しなければ
                  本国にとって大金を送ることができる。
                  ただ、その住居なるものを、我輩はチラっと見たことがあるが、
                  住居といえるシロモノじゃなかった…巨大な犬小屋?そんな感じ。



                  ニューヨークへ出稼ぎに行く人は多数いる。
                  限りない自由が存在しているが、
                  財布に対しても、また生きるのに対しても
                  リスクが大きすぎる。
                  住居費用の安さは命の安さと比例する。
                  病気になれば死につながる。
                  コミュニティに依存するしかないが、
                  大きく出るということはできない。

                  東京にもたくさん来ているが、
                  かつての豊かさは存在しない。
                  何よりも「邪魔」である。
                  不法入国、不法滞在…そんな様子を
                  日本語学校時代によく見たものだ。

                  確かに、お金の多寡に関して、
                  比較するのは酷だ。
                  どちらも大体十数万から数十万の間だ。
                  金額としては莫大だ。
                  だが、ここから全てを差し引けば、数万円しか残らない。
                  更に命の保障、いてもいなくても良い、
                  むしろ邪魔だという存在としての扱い。
                  これはその国に問題があるのではない。
                  背後にある経済の考え方と、治安に対する態度と文化の違いにある。
                  選択肢は、働く側に存在する。

                  サウジアラビア王国まで出稼ぎする理由は何か。


                  「ムスリムだから」


                  タクシーの運転手(パキスタン人)が教えてくれた。
                  納得。
                  アラビア語が共通語であることは、
                  それ以上に、ムスリム、ムスリマであることが求められている。
                  完全な自由は、彼らの求めるものではなく、
                  神を中心とした生活が重要である。
                  それも意識して、ではなく、生活の中で自然と溶け込んだ信仰と
                  その信仰を、低コストで保障してくれる生活が必要だ。

                  そして何よりも、この国の文化では、

                  知恵のある者は、知恵を。
                  金のある者は、金を。
                  何もない者は、汗を。

                  という考えがある。
                  これは否定的な意味合いで用いるものではないことを、
                  この国にいて感じ始めた。
                  何もないものであっても、働くことでその存在意義が現れるという
                  肯定的な労働感が存在してた。
                  何もない者を捨てるのは、イスラームでは許されないのだ。
                  米国ナイズされた日本では、何もない者を捨てる、非情さが根付いてしまい、みっともない姿をさらしている。

                  彼らはこの国において、必要だから来たのだ。
                  何もないから、汗を提供しに来たのだ。
                  そして、国際都市としての王都リヤドができたのだ。

                  ニューヨークは自由を。
                  東京は幻想を。
                  そしてリヤドは、人間としての存在意義を。
                  山田虎次郎翁を慕いて | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

                  フィルタリング

                  2010.07.13 Tuesday 19:58
                  0
                    インターネットを国家で規制するフィルタリング。
                    支那の場合、共産党の強権独裁に反したり都合の悪いものについて
                    アクセスできないようにしており、悪質極まりない。
                    このブログに

                     天安門事件
                     チベット独立
                     ウィグル問題

                    とか書くと、面白いくらいに、不正アクセス攻撃がなされる。
                    ロリポップ社、いつもごめんね(テヘ♪



                    ちなみに、サウジアラビア王国にもフィルタリングがある。
                    ただ、こっちはどちらかと言えば、拡大版「子供フィルタリング」。

                    エロサイトと、博打サイトは表示されない。
                    こんな感じに。







                    「内容に問題がなければ、ご一報を」云々と書かれており、
                    実際、エロと博打の内容でなければ、再表示できるというもの。
                    問答無用なものとは違うんだねえ。

                    ちなみに上の事例は、DMM.COMのサイト。
                    他に、いろんなまとめサイトとかも弾かれているが、
                    エロサイトのアフリエイトに反応したのであろう。

                    なお、当ぼんのうは、無問題。
                    でなければ、こうして更新なぞ、できようがないわな。w
                    山田虎次郎翁を慕いて | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

                    ああ・・・この夕日の美しさは、写真では言い表せられない・・・

                    2010.07.13 Tuesday 05:15
                    0
                      機関からホテルへ戻る際、タクシーを待つ時、
                      タクシーからの光景を見る時、
                      ホテル前に辿り着いた時、
                      この国の夕日の美しさに、心打たれる。







                      写真では到底表すことができない。
                      イスラームという、究極のセム系宗教が誕生したのには、理由がある。
                      砂漠という絶対なる死の世界を前に、
                      人は神の存在を、あらゆるところから感じる。



                      …半年間駐在する羽目になったら、
                      改宗しそうだ。w
                      山田虎次郎翁を慕いて | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |