アマチュアのためのツール
- 2017.05.27 Saturday
- 22:21
JUGEMテーマ:漫画/アニメ
Twitterのほうでチラっと呟いたが、Wacomの液タブ、結局のところ返品した。
高額であるが、さすが液晶タブレットに関しては世界最高峰であることは否定しない。
が、ダメなのだ、あまりにもハードルが高すぎるのだ。
我輩は漫画とかを描いてる。これを知ってる人はそこそこいらっしゃる(時々、驚かれる漫画家の方もいらっしゃるが…)。
とはいえ、あくまでもアマチュアで、趣味のレベルだ。
ゲーム業界では、企画書とかを描く時は、それなりに自分でイメージを伝えるために、絵を描かなければならない。
それ以前に、高校の時からイタズラ描きをし、大学の時にちょっとプロデビュー(思い出したくない黒歴史であるが)したりした。
コミケにサークル参加して、かなり内容が斜め上な同人誌を出したりしてきたし、今も続けている。
ただ、かなり以前に板タブレットが故障し、それ以後はマウスで描いてたものだから、元から下手である自覚はあるが、線のあまりのへなちょこっぷりに、ちょっと同人誌に出すにはなあ…ということで、ほとんどタダで配ってきた。
さすがにこれはダメだろう。
アマチュアであっても、心を込めて描かないと…ということで、エイヤ!ってな気持ちで前述の通りに液タブを買ったのだが、最初から躓いてしまった。
まず、接続から頭を悩ました。
公式には、簡単な説明図があるが、これだけでは理解できない。
特にDisplayportの存在が、我輩を振り回した。
新しく購入したデスクトップPCには、グラフィックカードをさしており、DVI-D / D-SUB 出力となっている。
オンボードにはこれにhdmiの出力ができる。
Displayportは比較的新しい(?)形式で、これを採用しているPCはまだ少ない。
これに対応させる方法で一番確実なのが、Displayport出力できるビデオカードを新たに買って差し込むのだが、せっかく買ったのに追加するのは勿体ない。
となると、この環境で何かできないかと考えてみたのだが、
「Displayport とDVI-Dの変換 ケーブルを買われては?」
と、アドバイスを受けたのだが、はい、ソフマップの店員は大馬鹿野郎でした。
色々と変換ケーブルが売り出されているが、DisplayportとUSB-Cは注意しなければならない。
後者は今回割愛。
巷に出ているものの説明をよーーーーーく見ると、
Displayport → DVI-D 変換 ケーブル
とある。
DVI-D / D-SUBの間変換の場合は、”⇔”であるが、
Displayportにおいては、こちら側からの信号発信が原則であり、他のポートからの信号を変換しても受け付けないというのが現状だ(2017年5月現在)。無論、将来はどうなるかわからないが、Displayportの規格仕様ではそうなっている。
PC(DVI-D)から信号が配信されるので、”Displayport → DVI-D” では逆走となり、液タブでは認識されない!
もう一つの方法は、せっかく買ったグラフィックボードがもったいないが、オンボードにあるhdmiポートからつなげる方法だ。
幸いにして、この接続方法も推奨されている。
一応、救済策として有効のようだ。
これで全部繋がった!...ということで、スイッチオンしたら、無事に映りだした。
これで最初の落書きを描いて、楽しいと感じたのだが、数日後、起動したら「つながっていないぜ」のワコム利用者の間で恐怖の真っ黒スクリーンが…。
そこで、悪名高いサポセンまで、状況をメールしたのだが、まったく返ってくる気配がない。
電話をして、15分くらい待ってやっとつながったが、ぶっきらぼうに
「タブレットと、オンボードのグラフィックのドライバーを最新のに入れて下さい(ガチャンツーツー)」
…なるほど、こういう対応なのね。
不快感を抱くとかそういうレベルじゃないんだな、うん。
まあ、二つともダウンロードして、無事に映りだしたからよかったが、一週間後に、また同じ現象。
ところが今度はあまりにも様子がおかしかった。
ワコムから最新のドライバーはインストール済み。
インテルのサイトから、オンボードのグラフィック関連のドライバーも最新のもの(”汎用”というのが気になったが)。
それでも復帰しない。
ケーブルも無論、接続に異常なし。電源も然り。
電話し、いろいろあーだこーだ言ったら、
「店まで持っていって、返品してください。ハードウェアの故障です」
…いいのか、そんなんで。
で、返品したわけだ。
ワコムは、ソフトウェアについては、確かに優れたところがある。
ペンの反応、画面に合わせてペンのタッチ位置を調整する機能は流石だと思うところがある。
だが、初期設置と日々の運用に際して、致命的な欠点がある。
そうそう、マニュアルがまったくない、iPhoneを猿真似したようなイラストがあるだけ。結局、いちいち公式サイトなどをチェックしなければならないというユーザを一切考えていない(直観的?あのな、液タブを初めて買う人間にとっては、何から何まで未知の世界だってことくらい、理解しろ)会社姿勢とサポセンのひどさに、辟易する。
プロの漫画家やイラストレーターにとっては、この微妙なセンサー仕様は重要かもしれない。
が、毎日、ドライバーの更新チェックとか、ハードウェアの故障(これが本当に故障しやすいんだ…前述のどおり、買って一カ月もしないで故障だぜ??)とかに怯えながら仕事をしている姿が容易に想像できる…。
返品は無事に済んだが、それでも液タブの魅力は捨てられない。
てなわけで、これに買いなおした。
Wacomのより大きく、半額以下。
他にも同様の他社タブレットが売られてたが、ネットでの評価とかいろいろみて、この「XP-Pen 液晶ペンタブレット 16インチ」を購入した。
感想?
ズバリ、
アマチュアのための
トップツール!
届いたときは、そのあまりの巨大な箱にびっくりしたが、開けると合理的な配置になってて少し好感アップ。
タブレットそのものは大きいが、安定した支えがあるので、揺らぐことがない。
気取りのない、実直なマニュアル(多言語)が入ってて、結構わかりやすい。
PCとの接続は、HDMIとUSB。変換に際してHDMIはDisplayportと違い、両方向⇔可能。グラフィックカードのDVI-Dに変換プラグを差し込むという手もあるが、アマゾンオリジナル製品のHDMI⇔DVI-Dケーブルがあり、それも同時購入。
電源を接続し、さっそくオン。
一発接続!
一応、CDROMがあり、そこからドライバーを入れたのだが、これでOK。
同社サイトにチェックしたら、これだ最新っぽい。仮に最新じゃなくとも、結構つながるらしい。
逆に映し出されない場合はどうするかといえば、マニュアル曰く、「ケーブルを一度外して、再度さしてください」。
うん、実は一回、映し出されないことがあったが、この通りにしたら、一発でなおったw
この会社は、いわゆる”中華タブ”扱いされているが、実際は本社がアメリカにある。
どうやらこの複雑なことを一切求めない、タフで重く、頑丈な作りは、アメリカ人向けなのかもしれない。
なんだ、我輩のためにあるのかw
ああ、それと、サポセンも大変優秀。
ドライバーについての質問をメールで投げたら、数時間後に戻ってきた。
速い!
でも、日本語が少しおかしい…丁寧な回答文だが、いわゆる日本語ノンネイティブ特有の文法の誤りがある。
回答者のメアドを見たら…ええええええええええ?
アメリカ本社から回答??
せっかくなので、英語で御礼のメール。
そしたら数分後に、またまたメール。しかも、アメリカーンなとーってもフレンドリーな内容で。
サポセンの対応は、とにかくあちらでは、友達感覚なんだよね…おかげで、質問とかではなく、いろいろとプライベートなこととかについてにくだらないやり取りをやったw
「英語、お上手だねえ?スラングとかよく知っていて、日本人とは思えない」
…ああ、まあ、そのなんだw
英語がある程度できるのであれば、いろんな質問とかについて、英語でやり取りしたほうが絶対良い。
またサポート体制もしっかりしている。
対応しているサポート窓口の社員は、少し込み入った技術的な質問には、近くの技術の社員に内容をふり、非常にわかりやすい回答をしてくれる。
ワコムとは大違いだ。
無論、欠点もある。
ペンの反応は、0.3秒ほどずれる。
PCモニターのサイズとリンクできない。
ペンのタッチ位置を調整する機能はない。
保護シートが2枚入ってるが、これを貼らないと画面がペン先で傷がついてしまう(専用ペンの先端の作りがやや粗い)。
プロが使うには、少し厳しい内容であるのは否めない。
だが前述のように、休日とかにしか描かないアマチュアの同人作家にとっては、これ以外の選択肢はない。
接続するまでの。また突然使えなくなるストレスがまったくない。
比較の問題ではあるが、安い。
多少の反応ズレも、慣れればなんとことはない。
いろいろとエクスプレスキーがあるから、使いやすい(使いきれてないが)。
サポセンがしっかりしている。
プロとアマは、ツールを使い分けるのが良いという事例かもしれないな。