いよいよ明日、発売
- 2007.02.28 Wednesday
- 23:48
3歳の時、ニューヨークのブルーミングデールズ・デパート(だったかな?メイシーズだったかな?)のおもちゃ売り場で、「PONG(いや、違うゲームだったかもしれない)」が売られていて、そのデモ機に向かって3時間プレイし続けてたのが、この業界に入るきっかけになったとは、決して言わない。
一方通行の情報だけしか流さないテレビという送信機…その画面の中に、自分の意思で動くモノがあり、それを動かすという新しい発想に、物心つく前に感動してたのかもしれない。
当時、ゲームといったらピンボールゲームやエアホッケーが主流で、一般生活から少しエッジにあるものが中心であった。
それが、普段の生活で使っているモノを介在して、新しい遊びができることに、面白さと同時に、新しさを感じたことが、当時のビデオゲーム流行の要因だったかもしれない。
ゲームを作りたいという気持ちが、いつ芽生えたのか覚えていない。単に忘れただけなのか、あるいは相当昔から抱き続けていた感情なのか分からない。ただ、「ドラクエ」とかの有名なRPGや、「スト2」等の格闘ゲームがきっかけでなかったのは確かだ。それ以前に、特定のあるゲームに感動して、ゲームを作る職業に就きたいとは思わなかったことは断言できる。映画に変わるメディアだとという理由で、ゲームを志すというものでも決してなかった。というか、我輩自身、操作する時間よりムービーばかり見せるゲームは、大嫌いだ。
そもそも我輩のゲーム作りにおける発想は、我輩自身の“いやらしい”根性から出たもののみである。
大学を卒業して、最初に入った会社・日立製作所の新人研修の出来事…日立製品の展示ルームに連れて行かれ、人事部の教育係が胸を張って
「ここにある製品、全部が日立が作ったものです」
とのたもうた時、我輩は目の前にあった、当時珍しかったPCカメラを持ち上げ
「すみません、これ『オムロン』と書いてますが?」
と指摘したら、無茶苦茶怒られた思い出がある。
どうにも我輩の精神構造は、他人が
素晴らしい 最高だ カリスマだ 天才だ
と言うものを、最初からそうだとは思わない、天邪鬼のDNAが入っているようだ。それ故に、「最高だ」と言われている人に嫌われるし、「最高だ」と言う人にも大層嫌われている。
そこにある、周囲全体の評価の皮を、咄嗟に引っぺがすことが好きなのかも知れない。周囲から常識と思われているものの、裏を見たり、裏から破壊する行動をしたりするのが好きだ。その為に、周囲から誤解されまくったり、けなされたり、怒られたり、苛められたりすることはしょっちゅうである。
そしてこの性格がゲーム作りに反映しているのだ。
決して薦められる方法ではない。
マーケットのベクトルに従うのがプロデューサの仕事であることから、我輩はプロデューサ失格だ。
でも、ごくわずかでも、そのような精神で作ったゲームを喜んでいただける方がいらっしゃれば、我輩は喜んで、その方を喜ばせために、この仕事を続けていきたい。
「PONG」が、今までゲームは日常生活から切り離された存在だった常識を崩したことに、我輩は惚れたのかもしれない。
「ザ・マエストロムジーク」も、自動的に流れてくる音楽の目押しをするという発想が嫌いだったから、思い浮かんだ。
「カンブリアンQTS」を普通のアドベンチャーゲームにだけはしたくなくて、難しいシミュレーションゲームにしてしまったのは、このネジくれた性格故。
そして「悪代官」も。
売れるか、売れないか…会社の一員として、これは重要な事。
でも、我輩個人として、
「ええ?こんなのあり?w」
とか
「うはwwwおまwwwwテラワロスwwww」
とか
「やりやがったなあ・・・くそw」
と、プレイされる皆さんが、華麗なCGムービーや美男美女、長ったらしいシナリオとか、ハリウッドばりのアクションではなく、
驚き
魂消り
爆笑し
常識を吹っ飛ばされ放心され
そして
喜ばれる
で、あればと強く思う。
無論、我輩の力量不足や人間性の問題は、自分自身、痛いくらい自覚している。市場が求めているものと乖離しているゲームを企画している自分のイロモノっぷりも、自覚している。
でも、買われるお客さんが少なくても、買われた皆さんが、
楽しんで笑っていただければ、
そして
喜んでいただければ、
これ以上うれしいことはない。
買われた方が目の前にいれば、見知らぬ方であっても、我輩は深くお辞儀して、
「本当にありがとうございます」
と申し上げたい。
これは、我輩の偽ることのない、気持ちである。
明日、PlayStation2用ゲームソフト「悪代官3」、発売。
皆さんの笑い声と笑顔が、我輩にとって、これ以上ない最高の勲章である。
一方通行の情報だけしか流さないテレビという送信機…その画面の中に、自分の意思で動くモノがあり、それを動かすという新しい発想に、物心つく前に感動してたのかもしれない。
当時、ゲームといったらピンボールゲームやエアホッケーが主流で、一般生活から少しエッジにあるものが中心であった。
それが、普段の生活で使っているモノを介在して、新しい遊びができることに、面白さと同時に、新しさを感じたことが、当時のビデオゲーム流行の要因だったかもしれない。
ゲームを作りたいという気持ちが、いつ芽生えたのか覚えていない。単に忘れただけなのか、あるいは相当昔から抱き続けていた感情なのか分からない。ただ、「ドラクエ」とかの有名なRPGや、「スト2」等の格闘ゲームがきっかけでなかったのは確かだ。それ以前に、特定のあるゲームに感動して、ゲームを作る職業に就きたいとは思わなかったことは断言できる。映画に変わるメディアだとという理由で、ゲームを志すというものでも決してなかった。というか、我輩自身、操作する時間よりムービーばかり見せるゲームは、大嫌いだ。
そもそも我輩のゲーム作りにおける発想は、我輩自身の“いやらしい”根性から出たもののみである。
大学を卒業して、最初に入った会社・日立製作所の新人研修の出来事…日立製品の展示ルームに連れて行かれ、人事部の教育係が胸を張って
「ここにある製品、全部が日立が作ったものです」
とのたもうた時、我輩は目の前にあった、当時珍しかったPCカメラを持ち上げ
「すみません、これ『オムロン』と書いてますが?」
と指摘したら、無茶苦茶怒られた思い出がある。
どうにも我輩の精神構造は、他人が
素晴らしい 最高だ カリスマだ 天才だ
と言うものを、最初からそうだとは思わない、天邪鬼のDNAが入っているようだ。それ故に、「最高だ」と言われている人に嫌われるし、「最高だ」と言う人にも大層嫌われている。
そこにある、周囲全体の評価の皮を、咄嗟に引っぺがすことが好きなのかも知れない。周囲から常識と思われているものの、裏を見たり、裏から破壊する行動をしたりするのが好きだ。その為に、周囲から誤解されまくったり、けなされたり、怒られたり、苛められたりすることはしょっちゅうである。
そしてこの性格がゲーム作りに反映しているのだ。
決して薦められる方法ではない。
マーケットのベクトルに従うのがプロデューサの仕事であることから、我輩はプロデューサ失格だ。
でも、ごくわずかでも、そのような精神で作ったゲームを喜んでいただける方がいらっしゃれば、我輩は喜んで、その方を喜ばせために、この仕事を続けていきたい。
「PONG」が、今までゲームは日常生活から切り離された存在だった常識を崩したことに、我輩は惚れたのかもしれない。
「ザ・マエストロムジーク」も、自動的に流れてくる音楽の目押しをするという発想が嫌いだったから、思い浮かんだ。
「カンブリアンQTS」を普通のアドベンチャーゲームにだけはしたくなくて、難しいシミュレーションゲームにしてしまったのは、このネジくれた性格故。
そして「悪代官」も。
売れるか、売れないか…会社の一員として、これは重要な事。
でも、我輩個人として、
「ええ?こんなのあり?w」
とか
「うはwwwおまwwwwテラワロスwwww」
とか
「やりやがったなあ・・・くそw」
と、プレイされる皆さんが、華麗なCGムービーや美男美女、長ったらしいシナリオとか、ハリウッドばりのアクションではなく、
驚き
魂消り
爆笑し
常識を吹っ飛ばされ放心され
そして
喜ばれる
で、あればと強く思う。
無論、我輩の力量不足や人間性の問題は、自分自身、痛いくらい自覚している。市場が求めているものと乖離しているゲームを企画している自分のイロモノっぷりも、自覚している。
でも、買われるお客さんが少なくても、買われた皆さんが、
楽しんで笑っていただければ、
そして
喜んでいただければ、
これ以上うれしいことはない。
買われた方が目の前にいれば、見知らぬ方であっても、我輩は深くお辞儀して、
「本当にありがとうございます」
と申し上げたい。
これは、我輩の偽ることのない、気持ちである。
明日、PlayStation2用ゲームソフト「悪代官3」、発売。
皆さんの笑い声と笑顔が、我輩にとって、これ以上ない最高の勲章である。